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サウンドマスキングの効果とは?オフィスでのメリットと導入のポイントを解説

  • 執筆者の写真: 神山聴景事務所 株式会社
    神山聴景事務所 株式会社
  • 7月29日
  • 読了時間: 13分
サウンドマスキングの効果アイキャッチ

 オフィスで仕事をしていると、「隣の商談が気になって集中できない」、「電話の内容が周囲に聞こえてしまう」、「静かすぎるせいで少しの会話でも耳についてしまう」と感じたことはないでしょうか。


 近年はフリーアドレスやオープンオフィスの普及により、コミュニケーションが取りやすくなった一方で、周囲の音による集中力の低下や、プライバシー問題が課題となっています。


 こうした課題への対策として注目されているのがサウンドマスキングです。


 サウンドマスキングは、防音工事のように音を遮断するものではありません。適切な音を空間に流すことで、人の会話を聞き取りにくくし、執務しやすい音環境をつくる技術です。この記事では、サウンドマスキングによって期待できる効果を中心に、その仕組みや効果を十分に発揮するためのポイントまでわかりやすく解説します。



オフィスでは「人の会話」が集中を妨げる


サウンドマスキング効果の打ち合わせの声が気になる様子

 オフィスの騒音というと、コピー機や空調設備を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、近年のオフィスでは設備の静音化が進んだことで、「機械の音より人の会話が気になる」という声が増えています。

 特に、人は意味のある言葉を無意識に聞き取ろうとする性質があります。そのため、隣の席の商談や電話が耳に入ると、意識しなくても注意がそちらへ向き、集中が妨げられることがあります。


 日本建築学会の研究でも、オープンプランオフィスにおいて適切なサウンドマスキングを導入することで、周囲の会話による妨害感を軽減し、スピーチプライバシーを向上させられることが報告されています。このような背景から、オフィスの音環境改善策としてサウンドマスキングが導入されるケースが増えています。




サウンドマスキングの効果を理解するための基本知識

サウンドマスキング効果を説明する様子

 サウンドマスキングの効果を正しく捉えるには、防音との違いや、会話が聞き取りにくくなる仕組みを理解しておく必要があります。ここでは、導入前に押さえておきたい基本を解説します。


◼︎サウンドマスキングは音を消すのではなく、聞き取りにくくする技術

 サウンドマスキングとは、専用のマスキング音を空間に流し、人の会話を「聞こえなくする」のではなく、「聞き取りにくくする」技術です。例えば、静かな図書館では小さな会話でも内容まで聞き取れます。一方、カフェでは周囲の環境音があるため、近くで話していても会話の内容までは理解しづらいことがあります。


 サウンドマスキングは、このような状態をオフィス内で意図的につくり出すイメージです。


 その目的は音そのものを減らすことではなく、会話の了解度を下げることにあります。これにより、周囲の会話による妨害感を軽減し、集中しやすい環境や、会話内容が伝わりにくい環境を実現します。


◼︎防音とは目的が異なるため、得られる効果も違う

 サウンドマスキングを検討する際に、「防音と何が違うのか」という疑問を持つ方は少なくありません。防音は壁やドアなどで音そのものを遮断・軽減するのに対し、サウンドマスキングの目的は、空間に適切な背景音を加えることで、会話を聞き取りにくくすることです。

 音漏れを完全に無くしたい場合には防音対策が適している一方、周囲の会話による集中の阻害や、言葉を発する時の心理的負担を軽減したい場合は、サウンドマスキングの方がマッチする傾向があります。

 それぞれ得意とする課題が異なるため、オフィスの用途や目的に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。



サウンドマスキングで期待できる4つの効果

サウンドマスキング効果の一覧

 サウンドマスキングには、「会話を聞き取りにくくする」という仕組みを活かし、オフィスの音環境を改善するさまざまな効果が期待できます。ここでは、実際のオフィスで導入目的となることが多い4つの効果を紹介します。


◼︎【サウンドマスキングの効果①】周囲の会話が気になりにくくなり、集中しやすくなる

 サウンドマスキングの代表的な効果は、周囲の会話による妨害感を軽減し、仕事に集中しやすい音環境をつくれることです。

 例として、資料作成やデータ分析など高い集中力が求められる業務では、隣席の会話が断続的に聞こえるだけでも思考が中断されることがあります。適切な音環境を整えることで、周囲の会話が過度に気になりにくくなり、業務に意識を向けやすい状態が期待できます。


◼︎【サウンドマスキングの効果②】会話内容の漏えいリスクを軽減する

 サウンドマスキングは、会話の内容を第三者に理解されにくくするスピーチプライバシーの向上にも役立ちます。

 代表的な業務だと、顧客との電話や人事面談、採用面接などでは、声が聞こえること以上に、内容が理解されてしまうことが問題になります。もちろん会話音がすべて聞こえなくなるわけではないので、セキュリティの重要度によっては別途対策が必要ですが、「会話の内容が筒抜けだから少しでも聞き取りにくくしたい」といった場合に有効です。


◼︎【サウンドマスキングの効果③】静かすぎる空間のストレス軽減

 オフィスは静かであればあるほど快適とは限りません。設備の静音化が進んだ現在では、空間全体が静かだからこそ、人の会話だけが際立ち、小さな声でも気になってしまうケースがあります。

 サウンドマスキングは、空間全体に適度な背景音をつくることで、静かなオフィスで一部の会話だけが目立つ状態を和らげ、音環境全体の快適性向上に貢献します。


◼︎【サウンドマスキングの効果④】打ち合わせスペースなどを利用しやすくなる

 サウンドマスキングの効果は、個人の集中やプライバシー保護だけではありません。執務エリア内の打ち合わせスペースや電話ブースでは、「周囲に会話が聞こえそう」という心理的な理由から、利用をためらうケースがあります。

 サウンドマスキングで環境を整えることで、こうしたスペースを安心して利用しやすくなり、オフィス全体の運用改善にもつながります。結果として、働く人がそれぞれの業務に応じて空間を使い分けやすくなり、オフィス本来の機能をより効果的に活かせる環境づくりに役立ちます。



サウンドマスキングの効果を十分に得るためのポイント

サウンドマスキング効果を高めるポイント

 サウンドマスキングは、音を流せば自動的に効果が得られるものではありません。対象となる会話音や空間の広さ、周囲の暗騒音、スピーカーの位置などによって、適切な設定は異なります。ここでは、導入する際に注意したいポイントを紹介します。


◼︎【サウンドマスキングのポイント①】目的に応じて音量と設置位置を調整する

 サウンドマスキングでは、音量が小さすぎると会話を十分に聞き取りにくくできません。一方で、必要以上に音量を上げると、マスキング音自体が気になり、かえって集中を妨げる可能性があります。

 重要なのは、単純に大きな音を流すことではなく、対象となる会話音とのバランスを整えることです。実際に、執務席の間で交わされる会話を気になりにくくしたい場合と、打ち合わせスペースから漏れる会話を聞き取りにくくしたい場合では、必要な音の届き方が異なります。

 現場では、次のような手順で調整すると状況を把握しやすくなります。


・改善したい場所と、聞こえ方が問題になる場所を特定する

・通常の執務状態で会話がどこまで聞き取れるか確認する

・小さな音量からマスキング音を流す

・会話の聞き取りにくさと、マスキング音の気になり方を確認する

・時間帯や在席人数を変えて再度確認する


 設置直後の数分だけで判断せず、実際の業務を行いながら調整することが大切です。人が少ない時間帯と混雑時では、空間にもともと存在する音の量が変わるためです。


◼︎【サウンドマスキングのポイント②】長時間過ごしても気になりにくい音源を選ぶ

 サウンドマスキングには、一定の特性を持ったノイズ系の音、空調音に近い音、自然音を取り入れた音など、さまざまな音源があります。会話を聞き取りにくくする性能だけでなく、長時間聞いていて負担になりにくいか、空間の雰囲気に馴染むかという視点も必要です。

 短時間の試聴では心地よく感じた音でも、数時間流し続けると、繰り返しや高い周波数成分が気になることがあります。反対に、最初は存在を認識していたものの、時間が経つと空調音のように意識しなくなる音もあります。

 「会話の聞き取りやすさ」や「音の目立ち方」などに気をつけて、実際にその場所を使う従業員の感想も確認しながら調整していきましょう。


◼︎【サウンドマスキングのポイント③】マスキングだけで解決できない課題を見極める

 サウンドマスキングは、会話を聞き取りにくくする手法です。壁を通過する音を物理的に止めたり、室内の反響そのものをなくしたりする設備ではありません。そのため、以下のような課題には、サウンドマスキング単独では十分に対応できない場合があります。


・室内の反響が強く、話し声が広範囲に届いている

・機密性が高く、会話を外部へほぼ漏らさないことが求められる

・隣席で実施しているWeb会議の声を完全に遮音したい


 このような場合は、壁やドアの遮音性能を高める防音対策、音の反射を抑える吸音対策、座席や間仕切りの配置変更などを組み合わせる必要があります。「何の音を、誰に、どの程度聞こえにくくしたいのか」を整理し、課題に応じて手法を使い分けることが重要です。



音環境の課題に応じて適した対策は異なる

サウンドマスキング効果のプレゼン風景

 オフィスの音環境を改善する方法には、サウンドマスキングのほか、防音・遮音、吸音、間仕切り、BGMなどがあります。どの方法が適しているかは、音漏れを防ぎたいのか、会話を聞き取りにくくしたいのか、室内の反響を抑えたいのかによって異なります。


◼︎代表的な音環境改善手法を比較

手法

解決したい課題

主な役割

サウンドマスキング

・周囲の会話が気になる

・内容を聞き取りにくくしたい

背景音を加え、

会話の内容を把握しにくくする

防音・遮音

・会議室などから外へ、

 音を漏らしたくない

壁やドアなどで音の伝達を物理的に抑える

吸音

・声が響く ・反響が気になる

音の反射を抑え、室内の響きを改善する

レイアウト変更・間仕切り

・打ち合せ席と執務席が近い

音の伝わり方や距離を調整する

オフィスBGM

・空間の雰囲気を整えたい

心理的な快適性を高める


◼︎サウンドマスキングが適しているケース

 オープンオフィスや執務エリア内の打ち合わせスペースなどで、声だけではなく内容まで伝わってしまう環境では、サウンドマスキングが効果を発揮します。

 例えば、周囲の会話が気になって作業に集中しにくい場合や、電話や打ち合わせの内容を第三者に聞き取られにくくしたい場合には、有効な選択肢となります。一方で、会議室から外部への音漏れを完全に防ぎたい場合や、高い遮音性能が求められる空間では、防音・遮音対策を優先するケースが多いです。


◼︎複数の対策を組み合わせることも重要

 実際のオフィスでは、音の課題が一つだけとは限りません。会議室の音漏れと執務エリアの会話による妨害が同時に発生している場合は、防音・遮音によって音漏れを抑えたうえで、執務エリアにはサウンドマスキングを導入するといった組み合わせが考えられます。

 このように、それぞれの手法には役割があります。一つの方法ですべてを解決しようとするのではなく、オフィスで発生している課題に応じて適切に組み合わせることが、効果的な音環境改善につながります。



サウンドマスキングの導入前チェックリスト

サウンドマスキング効果のチェックリスト

 サウンドマスキングが向いているかどうかは、オフィスで起きている問題の種類によって判断できます。次の項目を確認し、自社の課題が「音が大きいこと」なのか、「会話内容が聞き取れてしまうこと」なのかを整理してみましょう。


 複数の項目に該当する場合、サウンドマスキングを検討する価値があります。ただし、チェック結果だけで導入方式を決めず、対象エリアで実際の聞こえ方を確認することも忘れずに行いましょう。



サウンドマスキングによる音環境改善のケーススタディ

サウンドマスキング効果の検証結果

 サウンドマスキングの効果は、オフィスのレイアウトや働き方によって現れ方が異なります。ここでは、当社で行なった検証実験から、代表的な2つの活用例をご紹介します。


◼︎【サウンドマスキング活用例①】静かすぎる執務エリアで、心地よい音環境づくりをサポート

【課題】

・静かすぎることで気分転換しづらい

・集中したい場面でも周囲が気になる


【導入内容】

・執務エリアにサウンドマスキングアプリ「KESHIKI soundmasking」を導入

・市販のスピーカーを使用

・週3回運用


【検証結果】

利用者からは「リラックス効果を感じ、特に集中が必要な作業時に役立った」というコメントもあり、静かすぎる空間に適度な背景音を加えることで、働きやすい音環境づくりにつながる可能性が示されました。


◼︎【サウンドマスキング活用例②】執務エリア内の会議スペース・リフレッシュエリアの利用をサポート

【課題】

・執務エリア内の打ち合わせスペースや、リフレッシュエリアの利用頻度を高めたい 


【導入内容】

・執務エリア内の会議スペースとリフレッシュエリアに「KESHIKI」を導入

・市販のスピーカーを使用

・毎日運用


【検証結果】

利用者からは「音があることで周囲が気になりにくくなり、明るいテンポの曲でリラックスできました」というコメントが寄せられました。

執務エリアとリフレッシュエリアで音環境を使い分けることで、それぞれの空間に求められる過ごしやすさや快適性の向上につながる可能性が示されました。



サウンドマスキングの効果に関するFAQ

サウンドマスキング効果のFAQ

 最後に、サウンドマスキングの導入を検討する際に、よくいただく質問にお答えします。


◼︎Q1.サウンドマスキングは本当に効果がありますか?

A.適切な音量と設置条件で導入すれば、会話の聞き取りやすさや、周囲の会話による妨害感を抑える効果が期待できます。

ただし、どの空間でも同じ効果が出るわけではありません。対象となる会話音、背景音、スピーカーの位置、音量、室内の反響などによって結果は変わります。


◼︎Q2.サウンドマスキングを使うと会話がまったく聞こえなくなりますか?

A.基本的には、会話を完全に聞こえなくするものではありません。

声が聞こえていても、言葉の一部が背景音に紛れ、内容を連続して理解しにくい状態をつくるのが目的です。完全な遮音が必要な場合は、壁、ドア、天井などの防音・遮音対策を検討する必要があります。


◼︎Q3.サウンドマスキングと防音は何が違いますか?

A.音漏れそのものを小さくしたい場合は防音、オープンな空間で会話の内容を把握されにくくしたい場合は、サウンドマスキングが候補になります。課題によっては、両方を組み合わせることで解決するケースもあります。


Q4.サウンドマスキングはうるさくありませんか?

A.音量や音源が適切でなければ、マスキング音そのものをうるさいと感じることがあります。特に、効果を高めようとして必要以上に音量を上げると、快適性を損なう可能性があります。小さな音量から始め、会話の聞き取りにくさとマスキング音の気になり方を確認しながら調整することをおすすめします。


Q5.小規模なオフィスや一部のスペースでも導入できますか?

A.対象となるエリアを明確にできれば、小規模なオフィスや一部のスペースでも導入可能です。ただし、狭い空間ではスピーカーとの距離が近くなり、音量の偏りが生じることがあります。設置位置や音の広がり方を、細かく確認しながら導入を進めましょう



まとめ|サウンドマスキングの効果は適切な設計と調整で変わる

神山聴景事務所のサウンドマスキングアプリ「KESHIKI soundmasking」

 サウンドマスキングは、背景音によって会話を聞き取りにくくし、周囲の会話による妨害感や、会話内容を第三者に理解されるリスクを軽減する手法です。静かすぎる空間で特定の声だけが目立つ状態を和らげ、打ち合わせスペースなどを利用しやすい環境づくりにも活用できます。


 ただし、効果は音源、音量、スピーカーの位置、空間の広さや反響によって変わります。高い遮音性能が必要な場合は、防音・吸音などの対策と組み合わせる必要があるので、環境に合わせた対策を検討しましょう。


 神山聴景事務所が提供する「KESHIKI soundmasking」は、市販のスピーカーと専用アプリで利用できる、工事不要のオフィス向けサウンドマスキングサービスです。執務エリア、打ち合わせスペース、リフレッシュエリアなど、空間の用途や利用状況に合わせて音環境を整えられます。


【KESHIKIがオフィスにもたらすメリット】

①集中しやすい環境づくり

②プライバシー空間の保護

③静かすぎる空間のストレス軽減

④打ち合わせスペースなどの利用しやすさ向上


 オフィスの音環境に課題を感じている方は、音環境改善の選択肢として、ぜひ一度KESHIKIをご検討ください。以下より資料ダウンロードと2週間のトライアルが可能です。




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