サウンドマスキングとBGMの違いとは?マスキング効果や使い分けを解説

「オフィスでBGMを流しているけれど、サウンドマスキングとは何が違う?」
「BGMでも周囲の会話を聞こえにくくできる?」
BGMとサウンドマスキングは、どちらも空間に音を流すため、違いがわかりにくいかもしれません。実際、BGMによって周囲の音が目立ちにくくなることもあります。
ただし、両者では音を流す目的や、音の選び方・調整方法が異なります。
この記事では、サウンドマスキングとBGMの違い、BGMによるマスキング効果、オフィスでの使い分けや併用方法について解説します。
また、サウンドマスキングの効果や費用、導入方法などを幅広く知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
サウンドマスキングとBGMの違い

BGMとサウンドマスキングの大きな違いは、「何のために音を流すのか」という目的にあります。まずは、それぞれの役割を整理してみましょう。
◼︎BGM|空間の雰囲気づくりなどが目的の音楽
BGM(Background Music)は、空間の雰囲気を整えたり、居心地のよい環境をつくったりする目的で利用されます。
オフィスでも、エントランスや休憩スペース、執務エリアなどで音楽を流すことがあります。どのような空間にしたいかに合わせて、楽曲やジャンル、音量などを選ぶのが一般的です。
◼︎サウンドマスキング|会話などを聞き取りにくくするための音
サウンドマスキングでは、周囲に適切な音を加えることで、話し声の内容などを聞き取りにくくします。例えば、近くの席で行われている会話が明瞭に聞こえる場合に、その内容を認識しにくい音環境をつくるといった使い方です。
オフィスでは、周囲の会話が気になる執務エリアや、会話内容への配慮が必要な場所などで活用されています。
◼︎BGMとサウンドマスキングの違いを比較
両者の違いを整理すると、次のようになります。
比較 | BGM | サウンドマスキング |
主な目的 | 空間の雰囲気づくりなど | 会話などを聞き取りにくくする |
使用する音 | 主に音楽 | マスキングを目的に選定・設計した音 |
音の選び方 | 雰囲気や用途を重視 | 対象となる音や空間を重視 |
音量などの調整 | BGMとしての聞こえ方を考えて調整 | 音の伝わり方や距離を調整する |
ただし、「音楽ならBGM、ノイズならサウンドマスキング」と単純に分けられるわけではありません。この点については後ほど詳しく解説します。
【BGMとサウンドマスキング】データから見るオフィスの音環境と会話音の問題

オフィスでは、周囲から聞こえてくる会話や電話、Web会議などが仕事中の気になる音になることがあります。ここでは、国内の調査・研究からオフィスの音環境について見てみましょう。
◼︎周囲の会話や電話は集中を妨げる要因になっている
オカムラが2026年に公開したオフィスワーカーの調査では、集中を阻害する要因として「周囲の音(会話・電話やウェブ会議の音)」「周囲の人から話しかけられること」が上位2項目に挙げられています。同調査では、集中できる環境にも個人差があり、「静かで囲われた環境」の方が集中できるタイプが全体の約4割を占めました。
周囲の会話や電話を気にする人がいる一方で、すべての人に同じ音環境が適しているわけではありません。オフィスの音環境を考える際は、働く人による感じ方の違いにも配慮する必要があります。
◼︎オフィスでは“静かさ”だけでなく、会話の聞こえ方も重要
オフィスの音環境では、周囲の会話が明瞭に聞こえることで、作業中に意識がそちらへ向いてしまうことがあります。
そのため、オフィスで音を活用する際は「空間を静かにするか」だけでなく、「会話をどの程度聞き取りにくい状態にするか」という視点も重要です。
また、サウンドマスキングによって期待できる具体的な効果については、以下の記事で詳しく解説しています。
BGMでもサウンドマスキング効果は得られる?

BGMとサウンドマスキングの違いを考えるうえで、「BGMにもマスキング効果があるのでは?」という疑問が出てきます。結論からいえば、BGMによって周囲の音が目立ちにくくなることはあります。
◼︎【BGMのマスキング効果①】周囲の音が目立ちにくくなることはある
静かな場所では小さな話し声でも目立ちやすくなりますが、別の音が加わることで、周囲の話し声などが相対的に気になりにくくなる場合があります。そのため、BGMを流した結果として、周囲の会話が以前より気にならなくなったと感じることは考えられます。
◼︎【BGMのマスキング効果②】楽曲や音量などによって変わる
BGMとして流す音楽は、楽曲によって音の特徴が異なります。ボーカルの有無や使用されている楽器、音域、曲中の強弱なども一定ではありません。同じプレイリストでも、曲が変われば周囲の会話との聞こえ方が変化する可能性があります。
空間演出を目的として選んだBGMと、会話を聞き取りにくくすることを目的に調整した音では、考え方が異なるため注意が必要です。
オフィスBGMと専用のサウンドマスキングはなぜ違う?
BGMでも周囲の音が目立ちにくくなるのであれば、「わざわざサウンドマスキングを使う必要があるのか」と疑問に思うかもしれません。両者を分けるポイントは、流している音そのものよりも、その音を何のために使い、どのように調整しているかにあります。
◼︎【BGMとサウンドマスキングの違い①】音楽の良し悪しではなく目的と設計にある
サウンドマスキングというと、ホワイトノイズなどの「ザー」という音をイメージすることがあります。しかし、サウンドマスキングに使われる音はノイズだけではありません。自然音や加工した音声などを利用する方法もあり、方式によって使用する音は異なります。
反対に、音楽を利用しているからといって、その用途が必ずBGMになるわけでもありません。大切なのは音源の種類や良し悪しだけではなく、会話などを聞き取りにくくするという目的に合わせて、音が選ばれ、調整されているかどうかです。
◼︎【BGMとサウンドマスキングの違い②】目的や空間に合わせて調整されているか
サウンドマスキングを導入するときは、どの場所で、どのような音が問題になっているかを確認します。例えば、執務エリアで近くの席の会話が気になるケースと、会議室周辺で話している内容を聞き取られにくくしたいケースでは、対象となるエリアや求める状態が異なります。
音量だけでなく、使用する音やスピーカーの配置なども含め、目的と空間に合わせて考えることがポイントです。
【オフィス向け】BGMとサウンドマスキングの使い分け・併用

どちらを導入するか迷ったときは、「音を流すことで何を改善したいのか」から考えると整理しやすくなります。
◼︎【オフィス向け音源の選び方①】空間の雰囲気を整えたい場合はBGM
エントランスを明るい雰囲気にしたい、休憩スペースでリラックスしやすい環境をつくりたいといった場合は、BGMが選択肢になります。
空間の用途や利用する人に合わせて楽曲を選べるため、音による空間演出を重視する場合に向いています。
◼︎【オフィス向け音源の選び方②】会話を聞き取りにくくしたい場合はサウンドマスキング
「周囲の話し声が明瞭に聞こえて仕事中に気になる」「特定の場所で会話内容を聞き取られにくくしたい」といった課題であれば、サウンドマスキングを検討してみてください。
ただし、壁やドアを通じた音そのものを物理的に遮断する方法ではありません。高い遮音性能が必要な場所では、遮音など別の対策を優先すべきケースもあります。
◼︎【オフィス向け音源の選び方③】目的によってはBGMとの併用もできる
BGMとサウンドマスキングは、必ずどちらか一方を選ばなければならないものではありません。実際に、BGMとの併用を想定したサウンドマスキングシステムもあります。
また、オフィス全体ではBGMを利用しながら、会話が気になるエリアではサウンドマスキングを取り入れるといった考え方もできます。
ただし、複数の音を重ねれば効果が高くなるとは限りません。併用する場合も、それぞれの音量や聞こえ方を確認しながら調整する必要があります。
オフィスにBGM・サウンドマスキングを導入するときの注意点

BGMでもサウンドマスキングでも、オフィスに音を流す以上は、その音自体が働く人の負担にならないように配慮する必要があります。
◼︎【BGM・サウンドマスキングの注意点①】音量を上げすぎない
周囲の会話を聞こえにくくしようとして、BGMやマスキング音を必要以上に大きくするのは避けましょう。
会話が気にならなくなっても、追加した音そのものが気になれば快適な環境とはいえません。周囲の環境音とのバランスを確認しながら調整することが大切です。
また、マスキング音を「うるさい」と感じる原因や、音量・音源・設置位置の見直し方については、以下の記事で詳しく解説しています。
◼︎【BGM・サウンドマスキングの注意点②】スピーカーの位置と対象エリアを確認する
同じ音量で音を流しても、スピーカーとの距離や向き、空間の形状などによって聞こえ方は変わります。
オフィス全体に音を流したいのか、一部の執務エリアや待合スペースなどを対象にしたいのかを整理し、必要な場所へ適切に音が届く配置を検討します。
スピーカーの設置方法や、設備型・据え置き型・アプリ型による導入方法の違いについては、以下の記事も参考にしてください。
◼︎【BGM・サウンドマスキングの注意点③】実際に働く人の反応を確認して調整する
音の感じ方には個人差があります。ある人には快適な音量でも、別の人には大きく感じられることがあります。
導入した時点で設定を固定するのではなく、実際に働く人の反応を確認し、必要に応じて音量や音源、運用方法を調整できる状態にしておくとよいでしょう。
【オフィスで使える】BGM・サウンドマスキングを選ぶときのチェックリスト

オフィスで流す音に迷っている場合は、製品やサービスを比較する前に、自社が改善したい音環境を整理してみましょう。
特に確認したいのは、「音を流したい」のではなく、「音を使って何を改善したいのか」という点です。目的が明確になれば、BGMが適しているのか、サウンドマスキングを検討した方がよいのか、あるいは両方を使い分けるのかを判断しやすくなります。
【検証事例】BGMとマスキング音を組み合わせた活用

BGMとサウンドマスキングは目的や設計が異なりますが、必ずしもどちらか一方だけを使うとは限りません。
ここでは、BGMとマスキング音を組み合わせた音源を使用し、周囲の音が気になりにくい環境づくりと、空間で過ごしやすい音環境の両立を目指した検証結果を紹介します。
【課題】
執務エリア内の打ち合わせスペースとリフレッシュエリアの利用頻度を高めること。
【導入内容】
両エリアにKESHIKIを導入し、市販のスピーカーを使用して毎日運用。音源には、BGMとマスキング音を組み合わせたものを使用した。
【検証結果】
利用者からは、「音があることで周囲が気になりにくくなり、明るいテンポの曲でリラックスできました。」というコメントが得られ、継続利用の意向も確認された。
この検証では、「周囲が気になりにくくなった」という反応と、「明るいテンポの曲でリラックスできた」という反応の両方が得られています。
BGMとサウンドマスキングは目的の異なるものですが、このように、それぞれの特徴を組み合わせて音環境をつくる方法もあります。導入方法を考える際は、どのような環境をつくりたいのか、そのためにどのような音を組み合わせるのかという視点を持つことも大切です。
サウンドマスキングとBGMに関するFAQ

最後に、サウンドマスキングとBGMを比較するときに生じやすい疑問を整理します。
◼︎Q1. 普通のBGMを流すだけでもサウンドマスキングになりますか?
A. BGMを流すことで、周囲の話し声などが目立ちにくくなる場合はあります。ただし、結果としてマスキング効果が生じることと、会話を聞き取りにくくする目的で音を選び、調整することは分けて考える必要があります。
◼︎Q2. サウンドマスキングとBGMは同時に流せますか?
A. 併用することは可能です。BGMとサウンドマスキングの同時利用を想定したシステムもあります。ただし、それぞれの音を単純に重ねるのではなく、BGMとマスキング音の音量や対象エリア、スピーカー配置などを確認しながら調整することが大切です。
◼︎Q3. サウンドマスキングには音楽も使えますか?
A. 使用する音は方式によって異なります。ノイズだけでなく、自然音や加工した音声などを利用する方法もあります。
「音楽だからBGM」「ノイズだからサウンドマスキング」と音源だけで区別するのではなく、何を目的として、その音をどのように利用しているのかを見ると違いを理解しやすくなります。
まとめ|BGMとサウンドマスキングは目的に合わせて使い分ける

BGMとサウンドマスキングは、どちらも空間に音を加える方法ですが、目的が異なります。BGMは主に空間の雰囲気づくり、サウンドマスキングは会話を聞き取りにくくするために活用されます。オフィスの課題によって使い分けるほか、両者を組み合わせることも可能です。
神山聴景事務所が提供する「KESHIKI soundmasking」は、市販のスピーカーと専用アプリで利用できる、工事不要のオフィス向けサウンドマスキングサービスです。執務エリア、打ち合わせスペース、リフレッシュエリアなど、空間の用途や利用状況に合わせて音環境を整えられます。
KESHIKIでは、BGMとマスキング音を組み合わせた音源も用意しています。周囲の会話が気になりにくい環境をつくることだけを目的とするのではなく、音楽による空間の雰囲気にも配慮しながら、オフィスの用途に合わせた音環境づくりを検討できます。
【KESHIKIがオフィスにもたらすメリット】
① 集中しやすい環境づくり
② 会話のプライバシー保護
③ 静かすぎる空間のストレス軽減
④ 打ち合わせスペースなどの利用しやすさ向上
オフィスの音環境に課題を感じている方は、音環境改善の選択肢として、ぜひ一度KESHIKIをご検討ください。以下より資料ダウンロードと2週間のトライアルが可能です。







