サウンドマスキングのスピーカーはどう選ぶ?専用・市販の違いや配置・台数を解説

「サウンドマスキングには、専用のスピーカーが必要?」
「市販のスピーカーでも使える?何台くらい設置すればいい?」
サウンドマスキングには、専用スピーカーとコントローラーを組み合わせる方式もあれば、市販のスピーカーを活用できる方式もあります。大切なのは、専用品か市販品かだけで判断するのではなく、改善したいエリアや設置場所に合わせて、必要な音を届けられるスピーカーを選ぶことです。
この記事では、サウンドマスキングで使われるスピーカーの種類や設置方法、専用・市販スピーカーの違い、配置や台数を考えるポイントまで解説します。
また、サウンドマスキングの効果や費用、導入方法などを幅広く知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
サウンドマスキングに専用スピーカーは必要?

サウンドマスキングというと、専用のスピーカー設備が必要なイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、使用するシステムによって必要な機器は異なります。
◼︎専用スピーカーを使うシステム
サウンドマスキング専用のコントローラーとスピーカーを組み合わせて、空間全体の音を設計する方式があります。例えば、コクヨでは、天井内にスピーカーを設置し、空間へ均一にマスキング音を届ける方式を採用しています。ヤマハのVSP-2でも、専用スピーカーを壁や天井などへ設置して使用します。
こうした方式では、製品ごとにスピーカーや設置方法があらかじめ定められていることが多く、システム全体で音環境を構築します。
出典:コクヨ株式会社「サウンドマスキング」
出典:ヤマハ株式会社「VSP-2/VSP-SP2」
◼︎市販スピーカーを活用できる方式もある
一方、一般に販売されているスピーカーを利用できるサウンドマスキングサービスもあります。市販品を使える場合でも、「どのスピーカーでも同じ」という意味ではありません。使用するシステムや再生端末との接続が可能か、対象範囲に必要な音を届けられるかなどを確認する必要があります。
神山聴景事務所の「KESHIKI soundmasking」も、既存のiOS端末とスピーカーを利用して運用できる方式を採用しています。
出典:株式会社神山聴景事務所「KESHIKI soundmasking」
◼︎専用スピーカーと市販スピーカーの違い
主な違いを整理すると、次のようになります。
比較 | 専用スピーカーを使う方式 | 市販スピーカーを活用する方式 |
使用機器 | システム専用の機器 | 対応する一般的なスピーカー |
設置方法 | 天井・壁などへの固定を伴う場合がある | 据え置きなど柔軟に設置できる場合がある |
システム構成 | 製品ごとに決められていることが多い | 使用するサービスや端末によって異なる |
運用 | 固定的な音環境を構築しやすい | 設置場所や用途を変更しやすい場合がある |
どちらが優れているというものではありません。オフィスの規模や対象範囲、工事の可否、運用方法などによって適した方式は変わります。
サウンドマスキング用スピーカーの主な設置方式

サウンドマスキング用のスピーカーには、いくつかの設置方法があります。建物やオフィスの使い方によって、適した方式を検討します。
◼︎【サウンドマスキングスピーカーの設置①】天井に設置する
天井や天井裏へスピーカーを設置し、上部から広い範囲へマスキング音を届ける方法です。天井から室内へ直接音を出す方式だけでなく、天井内で音を反射させてから空間へ届ける方法もあります。コクヨでは、天井裏に設置したスピーカーから間接的に音を広げ、音ムラを抑える方式を採用しています。
◼︎【サウンドマスキングスピーカーの設置②】壁に設置する
壁面へスピーカーを取り付け、特定の範囲へ音を届ける方法もあります。ヤマハでは、基本的に会話が漏れてくる方向からマスキングしたいエリアへ向けてスピーカーを設置する考え方を案内しています。壁面に設置する場合は、直接人へ向けず、天井側へ向けて間接的に音を届ける方法も示されています。
◼︎【サウンドマスキングスピーカーの設置③】床やパーティションに設置する
天井や壁へ固定せず、フロア側へ設置するタイプもあります。オカムラでは、パーティション内部にスピーカーを組み込む方式と、天井へ設置するタイプが紹介されています。
このように、スピーカーは「天井に付けるもの」と決まっているわけではありません。空間の構造や改善したい範囲、工事の可否などによって選択肢は変わります。
出典:株式会社オカムラ「Sound Conditioning System」
サウンドマスキングのスピーカーを選ぶ4つのポイント

スピーカーを選ぶときは、製品スペックだけを比較するのではなく、実際に使うオフィスから逆算して考えることが大切です。
◼︎【スピーカーの選び方①】マスキングしたいエリアを先に決める
まずは、オフィス全体なのか、一部の執務エリアなのか、会議室周辺や待合スペースなのか、音環境を改善したい範囲を整理します。
対象範囲が決まると、スピーカーを固定して広く音を届けるべきか、限られた範囲で柔軟に運用するべきかも判断しやすくなります。
◼︎【スピーカーの選び方②】使用するシステムや端末との接続
専用システムでは、使用できるスピーカーが指定されていることがあります。市販品を活用する方式では、スマートフォンやタブレットなど、再生端末との接続方法を確認しましょう。
Bluetoothなどのワイヤレス接続が使えるかどうかも、サービスやスピーカーによって異なります。購入前に対応する接続方式を確認しておくと安心です。
◼︎【スピーカーの選び方③】必要な範囲へ無理なく音を届けられるか
サウンドマスキングでは、大きな音を出せるスピーカーを選べばよいわけではありません。改善したい範囲へ必要な音を届けながら、近くにいる人へ過度な負担を与えないことが重要です。
出力だけでなく、設置位置や対象範囲も含めて考えましょう。
サウンドマスキングの効果や、効果を得るための音量・設置位置の考え方については、以下の記事も参考にしてください。
◼︎【スピーカーの選び方④】設置や調整のしやすさを確認する
長期間同じレイアウトで使用するのか、オフィスの使い方に合わせてスピーカーを移動する可能性があるのかも確認しましょう。
特に賃貸オフィスでは、壁や天井への固定が可能か、配線や電源工事が必要かなどもチェックしておく必要があります。
サウンドマスキングの設置工事や、工事不要で導入できる方式については、以下の記事で詳しく解説しています。
サウンドマスキングのスピーカーはどこに置く?配置と台数の考え方

スピーカー選びと同じくらい重要なのが、どこに何台設置するかという点です。単純に面積だけで決めるのではなく、実際の音の伝わり方を確認します。
◼︎【サウンドマスキングスピーカーの配置①】会話の聞こえ方を確認する
最初に確認したいのは、音の発生源と、会話が気になっている場所の関係です。会議室内の会話が廊下へ聞こえている場合と、執務エリア内で隣の席の会話が気になる場合では、スピーカーを置く位置も異なります。
まずは「どこから、どこへ音が伝わっているか」を確認しましょう。
◼︎【サウンドマスキングスピーカーの配置②】一部だけ音が大きくならないようにする
1台のスピーカーから大きな音を出すと、スピーカーに近い人だけがマスキング音を強く感じる場合があります。
対象範囲によっては、複数のスピーカーを使って音を分散させた方が調整しやすいケースもあります。音量だけで対応するのではなく、必要な場所へ無理なく音を届ける配置を考えることが大切です。
◼︎【サウンドマスキングスピーカーの配置③】必要な台数は面積だけでは決められない
スピーカーの台数は、対象面積だけで一律に決められるものではありません。スピーカーの特性や設置高さ、部屋の形状、家具やパーティション、周囲の環境音などによって変わります。
そのため、「○㎡なら必ず○台」と考えるのではなく、使用するスピーカーや空間に合わせて判断することが重要です。
サウンドマスキング用スピーカーを設置するときの注意点

スピーカーを設置した後も、実際の聞こえ方を確認しながら調整します。特に次の3点は確認しておきましょう。
◼︎【スピーカー設置の注意点①】音量だけで効果を調整しない
会話が気になるからといって、スピーカーの音量を必要以上に上げるのは避けましょう。配置に問題がある状態で音量だけを上げると、スピーカーの近くではマスキング音そのものが気になる場合があります。
マスキング音が「うるさい」と感じる原因や、音量・スピーカー位置の調整方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
◼︎【スピーカー設置の注意点②】什器やパーティションを含めて聞こえ方を確認する
同じ広さのオフィスでも、デスクや収納、パーティションなどの配置によって音の伝わり方は変わります。図面上だけで配置を決めるのではなく、実際の家具配置や人が働く位置を踏まえて、どのように音が聞こえているかを確認しましょう。
◼︎【スピーカー設置の注意点③】設置後も音量や位置を調整する
スピーカーを設置した時点で音環境が完成するとは限りません。実際に働く人の反応を確認しながら、音量や設置位置、利用する時間帯などを調整します。
オフィスのレイアウトや利用状況が変わった場合も、必要に応じて見直しましょう。
サウンドマスキングのスピーカー選びチェックリスト

スピーカーを選ぶ前に、現在のオフィス環境と必要な条件を整理してみましょう。
チェック結果はオフィスの環境や運用方法によって異なります。自社の条件を整理することで、専用設備を使う方式と市販スピーカーを活用する方式のどちらが適しているか比較しやすくなります。
市販スピーカーを使ったサウンドマスキングの検証事例

サウンドマスキングでは専用スピーカーを使用する方法だけでなく、市販スピーカーを活用できる方式もあります。ここでは、神山聴景事務所の「KESHIKI soundmasking」を、市販スピーカーで運用した実際の検証結果を紹介します。
◼︎会議スペース・テレワークで市販スピーカーを使用
【課題】
会議中のコミュニケーション活性化と、テレワーク時の集中力向上
【導入内容】
会議スペースとテレワーク時にKESHIKIを活用
市販スピーカーを使用し、週3回の頻度で運用
【検証結果】
継続利用の意向が確認され、利用者からは、
「状況や気分に応じて楽曲を選べるため、テレワーク時の集中力向上を感じました。」
というコメントもいただきました。
この検証では、専用スピーカーではなく、市販スピーカーを使ってKESHIKIを運用しています。すべてのサウンドマスキングシステムで市販スピーカーが利用できるわけではありませんが、このように専用設備を前提とせず、用途に合ったスピーカーを活用できる方式もあります。
スピーカーを選ぶ際は、「専用か市販か」だけではなく、使用するシステムへの対応、対象エリア、設置位置や調整のしやすさまで含めて判断するとよいでしょう。
サウンドマスキングのスピーカーに関するFAQ

最後に、サウンドマスキング用のスピーカーを検討するときに生じやすい疑問を整理します。
◼︎Q1. 市販のスピーカーでもサウンドマスキングに使えますか?
A. 使用するシステムやサービスによります。専用スピーカーが必要な方式もあれば、KESHIKIのように市販スピーカーを活用できる方式もあります。
◼︎Q2. サウンドマスキングにはスピーカーが何台必要ですか?
A. 必要な台数は、対象範囲やスピーカーの性能、設置位置、空間の形状などによって異なります。面積だけで決めず、実際に音を届けたい範囲に合わせて判断します。
◼︎Q3. Bluetoothやワイヤレススピーカーでも使えますか?
A. 使用するサービスや再生端末が対応していれば利用できる場合があります。導入前に接続方式と対応機器を確認しましょう。
まとめ|サウンドマスキングのスピーカーは目的と配置に合わせて選ぶ

サウンドマスキングには、専用スピーカーを使用する方式と、市販スピーカーを活用できる方式があります。
重要なのは、専用か市販かだけで判断するのではなく、改善したいエリアや音の伝わり方を確認し、必要な場所へ適切に音を届けられるスピーカーと配置を選ぶことです。必要な台数についても、面積だけではなく、スピーカーの特性や空間の条件を含めて考えましょう。
神山聴景事務所が提供する「KESHIKI soundmasking」は、市販のスピーカーと専用アプリで利用できる、工事不要のオフィス向けサウンドマスキングサービスです。執務エリア、打ち合わせスペース、リフレッシュエリアなど、空間の用途や利用状況に合わせて音環境を整えられます。
【KESHIKIがオフィスにもたらすメリット】
①集中しやすい環境づくり
②プライバシー空間の保護
③静かすぎる空間のストレス軽減
④打ち合わせスペースなどの利用しやすさ向上
オフィスの音環境に課題を感じている方は、音環境改善の選択肢として、ぜひ一度KESHIKIをご検討ください。以下より資料ダウンロードと2週間のトライアルが可能です。






